何も考えずに…の意図するところ
2020.2
文:中村幸代
green café essay vol.100
「 何も考えずに…の意図するところ」
考えた方が良いことと、考えなくて良いことがありますが、私の場合、どうも「考えなくて良いこと」にとらわれて、後ろ向きになっていることが少なくないように思うのです。
「健康のために、とにかく歩くこと」を薦める整体の先生に「何も考えずに、目覚まし時計を朝5時半にセットして、何も考えずに着替えて靴を履いて歩き出してください。後悔は絶対にしませんから。」と言われて気付きました。先生に言われるそばから、「えー?無理無理。朝5時半って、寝不足確定。体調くずしそう。息子のお弁当作りもあるし。」と、マイナス思考、言い訳が次々に。でも、やってみる前から出来ないと決めつけることがよろしくないことは、頭ではよくわかっているのです。そう、これが「何も考えずに」と先生が重ねておっしゃった意味なのでした。自分を破る、自分の枠を超える、そこに自分の想像を超えた成長、前進があるのだ!
さすがに毎朝5時半ウォーキングはハードルが高すぎるので、お弁当作りの無い土曜日を選んで(ここは考えました)、早朝ウォーキングしてみました。まだ寝静まった住宅街を歩くと、夜明けを待つ星々が、はるか宇宙の彼方から光を届けてくれています。誰の手垢もついていない澄んだ光と空気が、私を特別に包んでくれたように感じて「ああ、やってみて良かった」と思いました。少し続けてみようかなとさえ思っています。
素直にやってみること。何も考えずに。
そうして小さな挑戦を重ねていったら、思いがけない体験を得て、きっと前とは違う、少し成長した自分になれるはず。
余計なことは考えず、実践あるのみ!今年はこれでいきたいと思います。
文・中村幸代