選に、もれたけれど。
2020.3
文:中村幸代
green café essay vol.101
「選に、もれたけれど。」
思い通りの結果がでないと、落ち込むタイプです。
自分のどこが足りなかったのだろうと反省するまでは良いのですが、反省を通り過ぎて、否定的な考えに偏りがち。「100点でなければ、0点だ!」みたいに、まったく極端なんだから困ります。
今回、ある番組で楽曲の募集があり、応募したものの選にもれたのでした。よくあることといえば、よくあること。でも、ふと、心にうかぶ「ダメだった」。
これを0点とみるのではなく、精一杯作ったのだから70点くらいに評価して、改善できることに努めようと、気持ちを切り替えPCの電源を入れて作曲の作業に入ると、あれれ、PCの調子が悪い。なんだか今は曲作れないみたいです、私。
その場から離れて、悶々としながら部屋の掃除を始めると、だんだんと気持ちが整理されていきました。思い通りになることを望むけれど、思い通りにならないからこそ気付けることもあるじゃないか。過去に自分の曲を選んでくれた人への感謝は充分だっただろうか。知らず知らず、高慢な心になっていないだろうか。そもそも、こうして作業できることが、どれほどありがたいことなのか、すべてが当たり前になってはいないだろうか。
こんな気付きは、もはや点数にはなりませんが「今回はこれで良かったのだ」と気持ちがスッキリしました。
そしてPCは、というと、不思議なことに調子を取り戻してくれました。
PCにも気持ちがあるのかどうかはわかりませんが、PCにも感謝しなくちゃなのかな、、、きっと。
文・中村幸代