想像力で共に
2019.12
文:中村幸代
green cafe vol.98 「想像力で共に」
フランシスコ教皇が広島と長崎で、核の廃絶を訴えてくださったことに、とても感動しました。そうだ。こんなにも残酷な武器にたくさんのお金をかけて、地球が何度も破滅するほどの核を競うように作って、いったい地球の未来は、人類の未来はどうなってしまうのか。「世界中で一斉に核廃絶」が現実になってほしいものです。子どもたちのためにも。
フランシスコ教皇は「声をあげることが大切」とおっしゃっていました。平和のために声をあげること。でも、自分の声など無力ではないかと思ってしまうこともあります。実際、広島や長崎の高校生が、核の悲惨さを同世代の人たちに語る活動をしているそうですが、残念ながらなかなか伝わらないことも多いそうです。なぜ伝わらないのでしょうか?他人事だからでしょうか?無関心だからでしょうか?
もし自分が、家族が、あの日広島にいたら、長崎にいたら...。
想像力を働かせて、核の悲惨さを、そして平和の尊さを少しでも自分事として感じられたならば、そこから生まれるひとりひとりの声が繋がりあって、大きな力にできるのではないかと思います。
想像力は人間にしかない能力と言われています。その想像力を活かしてお互いの声に耳を傾け理解しあおうと、そして共に平和な世界に向かっていこうと少しでも思えたならば、きっと教皇の願いに近づけるのではないかと思うのです。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できること。」〜フランスの作家ジュール ヴェルヌ
平和な世界を皆で想像しようではありませんか!
文・中村幸代