TopicsEssay

ちいさな良いこと、無事にできたこと

2019.1
文:中村幸代


先日、知り合いの方と目が合ったので挨拶をしたら、無表情でスルーされてしまいました。「あら?わたし、何か悪いことしたかしら?」
心の中は、穏やかじゃありません。それから、その日はもやもやとした気持ちを引きずってしまったせいか、上手くいかないことばかり…だったように思います。というのは、嫌な気持ちで物事を捉えると、次々に嫌なことしか見えてこないんですね。小さな良いこと、無事にできたことには目がいかず、「なぜ?どうして?」と、嫌な気持ちで心が支配されてしまう。
「あの人が、私に挨拶を返してくれなかったのは、たまたま考え事していただけじゃない?あるいは、見えていなかったんじゃない?」と、パッと切り替えてしまえば良かったのでしょう。
こんな話を読んだことがあります。「そもそも、相手の心をコントロールすることなど出来ないのに、相手によく思われたい、認めてもらいたい、好かれたい、と、そんなことを考えても仕方がない」と。
本当にそうです。相手の反応を気にして過ごすよりも、誠実に、ちいさなことにも、当たり前のようなことにも感謝したり喜んだりしながら、自分にできる精一杯を重ねていく、そんな風に時を過ごしていこうと、改めて思いました。

文・中村幸代

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