冷凍生活を送ろう


みなさんは冷凍生活を送っていますか。食材を冷凍すると、保存期間を延ばすことはもちろん、時短レシピに活用できたり、旨味が増す食材もあったりと、嬉しいメリットがたくさんあります。冷凍保存のポイントやおすすめ冷凍レシピなど、冷凍生活を送るためのコツをご紹介します。

冷凍のメリット

食材を冷凍すると、美味しさや栄養価が落ちてしまいそう……と、冷凍に対してマイナスなイメージを持つ人は少なくありません。ですが、フルーツや野菜、パン、ごはんなどは、冷凍保存することで美味しさや栄養価がキープされることを知っていますか。逆に常温や冷蔵保存は美味しさや栄養価がダウンしてしまうので、冷凍保存のほうがメリットがあります。冷凍庫を開け閉めしていると温度が変わってしまうので、どうしても栄養価は少しずつ落ちてきてしまいますが、常温や冷蔵庫に比べたらキープされます。また、冷凍することで美味しさや栄養価がアップする食材もあります。代表的なものは「きのこ(美味しさがアップ)」や「しじみ(栄養価がアップ)」です。これらの食材を買ってきたら、その日に使わない分はすぐに冷凍したほうが良いですね。

冷凍した食品はどのくらい持つ?

業務用の冷蔵庫のように、冷凍庫内の温度がマイナス18度以下をずっとキープできるのであれば、1年間の保存が可能です。ですが、家庭用冷凍庫は開け閉めの過程で温度が変わってしまうので、3週間~1か月ほどを目安にして食べるようにしましょう。


冷凍するときのポイント

①鮮度の良い状態で冷凍する

冷凍したときの状態がそのままキープされるので、鮮度の良い状態で冷凍したほうが、解凍したときにも美味しく食べられます。

➁空気に触れさせないようにする

冷凍庫内はとても乾燥しています。食材が空気に触れると乾燥が進んで水分が失われ、そこに空気が入り込むと酸化が起こり、食材が冷凍焼けのような状態になります。そうすると風味や食感が落ちてしまうので、とにかく空気に触れさせないようにすることが大事です。食材を直接フリーザーバックにいれるときは、しっかりと空気を押し出してからジッパーを閉めて保存するようにしましょう。お肉を保存したいときは、フリーザーバックに入れる前に、一旦ラップで巻くと良いです。

➂急速に冷やす

食材を冷凍すると、食品の中の水分が凍って膨張し、その過程の中で細胞膜や細胞壁が壊されてしまいます。細胞膜や細胞壁の損傷が大きい状態で解凍すると、食品からドリップが出て美味しさを損ねることに。細胞膜や細胞壁の損傷が大きくなる温度帯はマイナス1~マイナス5度なので、この温度帯を素早く通りぬけさせることがポイントです。そのためには、食材をステンレスのパッドの上において冷凍庫の中に入れたり、食材の上に凍った保冷剤を置いてあげたり、急速冷凍機能を活用したりして、温度を一気に下げるようにしましょう。


おいしさを損ねない解凍方法

・生肉や生魚

◎フリーザーバックに入れたまま氷水につける
食材を傷めずに一番早く解凍することができます。

×温かいお湯の中に入れる
腐敗させる微生物が増えてしてしまいます。

★低温状態のまま、できるだけ急速に解凍させて、食材へのダメージを少なくするのがポイントです。下味冷凍している場合は、朝のうちに冷蔵庫に移しておくと、夜には丁度良い状態で解凍されています。

・野菜や貝

冷凍したものをそのまま調理してOK。一番おいしく食べられます。

冷凍してくたっとしてしまった野菜の活用法

野菜は水分が多く細胞壁が破壊されやすいため、冷凍して解凍するとくたっとしおれてしまいます。デメリットにも思えますが、その特徴を活かす調理法があります。

・玉ねぎ、トマト

この2つの野菜は、生ではなく冷凍したものから炒めたほうが、より早くに旨味がでてきます。カレーを作るときに使う飴色の玉ねぎなども、冷凍からのほうが早く出来上がります。トマトやたまねぎを細かく刻んだり、少し崩して平らにしてから冷凍しておくと、スープなどにも使えて使い勝手がいいので、ストックしておくと便利です。

・こんにゃくや豆腐

こんにゃくや豆腐は冷凍すると触感が変わるので冷凍NGと言われていますが、逆にその食感を楽しむこともできます。解凍すると少しパサパサになるので、醤油などで味をしみこませると、面白い触感に仕上がりますよ。

ストックしておくと便利!茹でないショートパスタ

パスタ料理を作ろうとすると、茹でたりフライパンで和えたりして、使う調理器具が多いうえに肯定が多くて面倒ですよね。ショートパスタをあらかじめ冷凍しておくと、茹でる必要がなくさっと使えるので、時間のあるときに作っておくと便利です。

・冷凍方法

袋の中に乾燥のショートパスタを入れ、パスタがひたるくらい水をいれます。そして、水に対して1%の塩を入れたら30分~1時間くらい置き、パスタが白くなったらそのまま冷凍します。

・使い方

食べるときに電子レンジで1分ほど解凍します。固まっているパスタが少し崩れたら、調理中のフライパンの中に入れて、白色が透明感のある黄色に変色したら出来上がりです。

冷凍しておくと便利な食材

・お肉

肉のストックがあると、料理にちょっと使いたいときに便利です。料理で使う頻度の高いお肉を小分けにして、欠かさずに入れておくといいですね。

・きのこ

余ったきのこはすぐに冷凍しておくと便利です。

・しょうが

しょうがは一度に使う量が少ないので、一回使ったら残りは皮をむいてすぐラップに包み、フリーザーバックに入れて冷凍しましょう。刻んで使うことが多い方は、冷凍するまえに刻んでおくと良いです。

ぜひみなさん冷凍保存を活用して下さいね。

<取材協力>

土方夕暉さん

発酵アミューズ代表
冷凍生活アドバイザー

札幌在住。
「甘酒」で蕁麻疹が出ない体質に改善された経験から,発酵への探究がはじまる。
2018年、「物言わぬ発酵菌に変わり,発酵の魅力を多くの人に伝えたい」という思いから「発酵翻訳家」として活動を始める。元小中学校教諭としてのスキルを生かし,楽しくわかりやすい!をモットーに発酵講座を多数開催。美味しく身体によい発酵料理も人気で、企業へのレシピ提供も行う。
冷凍レシピコンテスト(2019年・2020年)で2連覇達成を機に、冷凍生活アドバイザーとしての活動も本格的に始動。テレビや雑誌でも活躍の幅を広げている。

◆資格等
冷凍生活アドバイザー/野菜ソムリエプロ/製菓衛生師【国家資格】/高等学校〈音楽〉・中学校〈音楽〉・小学校教諭免許【国家資格】/学芸員資格〈美術館〉【国家資格】 など

2023

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