冬の冷えと向き合う
2016.12.01
寒い冬の季節がやってきました。この時期の悩みのひとつが“体の冷え”。体が冷えると、体調不良を引き起こす原因になります。今回はそんな冬と向き合うための、冷えない体づくりについてご紹介します。
腎(じん)の働きを高める
冬は、寒さに弱い腎の働きが低下しやすい時期。中医学(中国漢方)で使われる「腎」とは、西洋医学の腎臓が関係している働きなどを含めて、もう少し広い意味で使われています。この腎の働きが低下すると、白髪が増えたり、目がかすんだり、肌に潤いがなくなったりと、いわゆる老化現象が起こりやすくなります。そのため、冬の冷えは要注意です。
腎の働きを強化する食材
黒豆、黒ゴマ、昆布、海藻、キクラゲなどの黒い食材。→生命力や気力を養う力がある。
その他、ブロッコリーやウナギ、羊肉、イカや、ナガイモ、ニラ、牡蠣、ホタテなども効果的。
塩分は控えめに
腎臓は血液をろ過し、余分な塩分を排除する役目があります。そのため、 腎臓に負担がかかる塩分は控えめにすることが大切です。余分な塩(ナトリウム)と水分を排出するためには、カリウムを多く含むオレンジやグレープフルーツ、梨や柿などを摂るようにしましょう。
腎臓の働きを高めるツボ
足の小指の爪の生え際、その外側にあるツボは、腎臓の働きを高め、尿の排泄をスムーズにします。お風呂に入った時に、親指と人差し指で足の小指の爪を挟んで押し、指先に向かって引っ張りましょう。
薬湯で体を温める
体の冷えには、昔から伝わる薬湯がおすすめ。家でも簡単にできる薬湯をご紹介します。
大根湯
<効果>
体の芯からほっこり温まる。額に汗が滲むくらいまで入ると、冷え性や乾燥などによる全身の痒みの改善にも。
<使用法>
大根1本分の葉を風通しの良い日陰に干す。茶色くなるまで2〜10日ほど乾燥させたものを細かく刻んで布袋に入れ、湯船に浮かべます。葉付きの大根が手に入らない時は、自然食品店で大根(だいこん)干(ひ)葉(ば)と明記してあるもの使いましょう。
ゆず湯
<効果>
・体の芯からぽかぽか温まり、湯冷めしにくい。冷え性やリウマチに効果的。
・柑橘類の皮に含まれる成分に保湿性があり、乾燥肌に効く。
<使用法>
ゆずの皮をそのまま輪切りにして、浴槽に浮かべる。
末端冷え性対策
足のつま先がいつも冷えている症状を、「末端冷え性」と呼びます。上半身には、心臓や脳などの生命に直接かかわる臓器が沢山あるため、血液はまずそこに優先的に流れるようになっています。そのため、直接生命の維持に関わらないつま先や上半身は、血液の流れが滞り易くなるわけです。
足先の冷えは、靴下やホッカイロなどで一時的には和らぎますが、根本的な末端冷え性の解消にはなりません。足の指の筋肉を鍛えたり、ツボを刺激して血行を促進するなど、身体本来がもつ体温調節の機能を回復させると、見違えるように改善されます。
足の指を動かす
つま先の冷えは、足の指の筋力を鍛えることで、改善されることがあります。まずは『五本指靴下』を履いて、日常生活の中で足の指を効率的に使うようにしましょう。5本指靴下は、足先が固定されず自由に動かせるようになるので、普段使っていなかった筋肉を刺激して、冷えの解消につながります。
足をマッサージする
足先の血行を促す為には、マッサージが効果的です。冷えに効くツボを刺激しましょう。
「湧泉(ゆうせん)」
●効果…つま先の冷えと疲労回復に効く
5本の足指を全部グッと内側に曲げると、足の裏にくぼんだ部分ができます。そのくぼみの中央に湧泉のツボがあります。机に向かっている時や、椅子に座っている時には、ゴルフボールなどを利用して湧泉のツボを刺激すると効果的です。
「太谿(たいけい)」
●効果…体内の余分な水分を調整するツボ。冷えやむくみの解消に効く
足の内側、くるぶしと、アキレス腱の間にあるくぼみ部分のツボを刺激します。
「八風(はっぷう)」
●効果…血行促進に効く
足の親指から小指まで、それぞれの指の付け根の間にあり、両足あわせて8ヶ所にあります。