ともに
2020.5
文:中村幸代
green café essay vol.103
「ともに」
世界規模の困難に私たちは今、直面しています。
医療従事者、対策従事者、保健所の職員の方等、最前線で戦う方々に心より感謝を申し上げ、お身体の安穏をお祈りいたします。
仕事のことや家族のことが心配で不安で、眠れない夜を過ごしている方も少なくないのではないかと思います。
このウィルスは、細胞に入り込むだけでなく、不安や疑いや怖れ、分断という形で、心にも入ってくるという専門家のお話を聞き、まるで人類が試されているようだと感じました。苦しいとき、いかに助け合って、思い合っていけるか。他人の痛みを対岸の火事と思わず、自らの心に手繰り寄せていけるような想像力をいかにしたら持てるのか。そして、自分にいったい何ができるのか。
ひとりひとりに突きつけられた問題ですけれども、同時に心に希望を描くことも、ひとりひとりに可能なことのようにも思います。長いトンネルでも必ず出口があると。
みんなで出口にむかっていけるように、身近な人に声をかけながら、耐え忍ぶときを、ともに。
文・中村幸代