より良いコミュニケーションで、人生をもっと楽しく。

春は入学や入社、部署異動など、新たな出会いの多い季節です。ワクワクする気持ちの一方で、挨拶や自己紹介で初対面の相手に与える印象が気になったり、人との交流をプレッシャーに感じてしまったりする方も少なくないのではないでしょうか。ですが、こうした出会いを機に心地よい人間関係が築けたら、人生はぐんと楽しくなります。今回は、良好なコミュニケーションを築くためのポイントをご紹介します。

人前では「上手に話す」よりも「想いを伝える」ことが大切!

自己紹介やプレゼンなどの場面で、「人前でもっと上手に話せたらいいのになぁ」と思う人は多いです。では、「上手に話す」とはどういうことでしょうか。アナウンサーや声優を目指すのであれば、噛まずにすらすらと話せることや間合いなど、技術的な要素が必須ですが、私たちにとって、それは必要不可欠なことではありません。もちろん、プレゼンなどの場面ではある程度の滑舌の良さは必要かもしれませんが、それはトレーニングでいくらでも上手くなります。最も大事なことは、よどみなく話すことよりも、自分の話したいことが相手に「伝わる」かどうかです。

人の行動には必ず目的があり、話すという行為も例外ではありません。例えば、営業で契約を取るため、上司が部下に仕事の指示を適確に伝えるため、雑談で相手と楽しい時間を共有するためなど、その目的はシーンによって様々です。これらの目的に共通していることは、「相手と通じ合いたい」という想いです。コミュニケーションの中で自分の想いを「伝える」ことができたときに初めて、相手と通じ合うことができるのです。

結婚式のスピーチなどでの例では、たとえ拙い話し方でも、その人の想いや本心が詰まった言葉から気持ちが伝わり、心が大きく動かされることがあります。逆に、流暢な話し手なのに、あまり心に響く話ではなかった、ということもありますよね。こんな風に、表面的にスムーズに話すことよりも、自分らしい言葉で自分の想いを語られていることのほうが大事です。「上手く話したい」、「どう思われるのだろう」などの不安な気持ちを持っていると、メンタルブロックがかかってしまい逆効果。そして、こうしたマイナスの気持ちは相手に伝わってしまいます。上手く話そうとはせず、自分の想いと向き合って、素直な気持ちで話すことを心がけましょう。

ぐっと距離が縮まるコミュニケーションの築き方

・その人の「why」を聞いてみる

会話はキャッチボールなので、まずは投げるよりも受け取ることが大切です。相手の興味・関心や、言いたいことを受け止めるのが最初。では次に、ボールを投げるときには何を伝えたらいいでしょうか。仕事や趣味などでは、「なぜ始めたのか」、「なぜやりたいのか」、「何を目指しているのか」など、相手の心や頭の中にあるものは聞いてみないと分かりません。そこの部分をぜひ質問してみましょう。
そして、自分が話をするときも、誰のために「なぜ」そのことをしているのか、どんなことをしていきたいのか、そんな想いを伝えてみると良いです。コミュニケーションの中でその部分をお互いが知り合えると、ぐっと距離が縮まって仲良くなれますよ。

・自分の「why」を見つめ直してみる

とはいえ、とくに理由もなく「なんとなく好き」なものってありますよね。こうした感覚は、脳のメカニズムからいっても言語化することが難しいと言われているのですが、自分自身を見つめ直したときに、過去の経験から繋がる、何かしらのストーリーがあるはずです。例えば「なんとなく」洋服が好き、という気持ちには、その背景に、過去に服を褒められたとか、おしゃれ好きなおばあちゃんから影響を受けたとか、色々な理由があるはずです。こうしたものを語れるようになると、伝達力が身につきます。また、自分の中の「Why」を言語化することで、話した人から共感や応援を得られるようにもなります。自分の好きなもの、ことの背景について、ふとしたときに考えてみると良いでしょう。

人の幸せと不幸を分ける決定的な要因は「繋がり」だと言われています。人は一人では生きていけません。より良い繋がりを持てるようなコミュニケーション能力が身につくと、お互いに助け合うことができ、人生もより楽しいものになりますよ。

<取材協力>

後藤清安さま
話し方labo主宰/NPO法人loveaomori project 代表理事
株式会社あおもりSEIAN 代表取締役/元RAB青森放送アナウンサ

RAB青森放送にアナウンサーとして入社。
テレビ「出会いふれあい生テレビ」キャスター担当。番組最高視聴率20%超を記録。2年間にわたるゴミ問題の取材では民間放送連盟 北海道・東北ブロック放送活動部門優秀賞を受賞。
ラジオ「お昼はいただきミュージックランチ」「あおもりTODAY」などのパーソナリティを経て2003年~フリーに。
フジテレビ「スーパーニュース」リポーター・ナレーション、日経CNBC「ニッポンNavi」リポーター、TBSラジオ「オンテナ」チャートレディ、RABテレビ「清水圭のええで~青森」、国土交通省「visit japanキャンペーン」、総務省「ふるさとイベント大賞」、ASEAN東南アジア諸国連合など、政府系式典・イベント、日本経済新聞社主催各種シンポジウム司会など多数。
2009年5月~お世話になった青森県への恩返しのために株式会社あおもりSEIAN設立。同時にloveaomori projectを立ち上げ、地域活性化・人間関係構築・圧倒的成果を出すチームビルディングなど各種研修、ワークショップ、講演などをこなしながら、マルシェプロデュースやマーケティング、日本ブランドの輸出に向けたマーチャンダイジングなど、物流にも貢献すべく活動している。2013年~青森県ラムダ作戦推進会議委員。

☆ウェルビーイングに生きるための情報、人の幸せの本質である「つながり」「良好な人間関係」を築くための情報を伝えることがミッション

■後藤清安オフィシャルサイト

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