家計を見直そう



生活を送るうえで、お金の管理は欠かせないものです。家計管理をあやふやにしていると、生活だけでなく心も不安定になってしまいます。お金の流れを見えるようにして、安心して生活を送れるようにしましょう。

■家計改善で初めにすべきこと


家計を改善するためには、まず初めに「家計の作り方」から見直す必要があります。お金の管理が不得意な方は、何か必要なものがある度にお金を使って支出を積み重ねていく「支出積み重ね家計」をしているかもしれません。クレジットカードでローンを組んだり、不足分を貯金から補填したりなど、自分の収入以上のお金を使おうとすると家計はダウンします。支出ではなく収入に焦点を当て、毎月の収入の範囲内で支出を割り振る方法へと変えていくことが「家計改善」となります。

大事なのは、他の人と比べて「普通」「平均」を決めるのではなく、自分の収入としてみたときに、今の生活が贅沢なのかどうか知ることです。このように考えることで、色々と我慢をして節約をしても家計が楽にならないという感覚から解放されるようになります。


■支出が収入を上回るときは?

家計の支出が収入を上回っている場合は、普段の生活にいくらかけているのか分析して、家計のバランスを見直します。このとき、「6畳一間でいいから食事を豪華にしたい」「豪華な家に住みたいから食事は質素でも構わない」など、自分のライフスタイルや価値観を大事にすることがポイントです。そのうえで、支出が収入を上回るときは固定費をカットします。住居費や子供の塾、習い事などを見直したり、車を手放したり、子供の学校を公立か私立か選択したりなど、慎重に判断していきましょう。

■新しい家計簿の付け方

家計を管理するためには、家計簿をつけてお金の動きを把握しておくことが大切です。 家計簿が苦手な方は多いかと思いますが、レシートの金額を細かく記入して毎日管理する必要はありません。
おすすめしている家計簿のつけ方は、生活費として必要なお金を10万円と決めた場合、その金額内に収まっているのかを一週間ごとに計算して確認するだけです。
実際に割り当てた金額内に収まっていれば、食費が多くても交際費が多くても問題ありません。

■収入に対していくら貯蓄するべきか

まずはいまの家計を見直して、赤字になっている場合は黒字化することから始めましょう。各家庭によって必要なお金は異なるため、いま生活に必要な金額をベースにして考えます。

(例)毎月25万円で生活していて、年金が15万円もらえる場合
25万円-15万円=10万円(不足金額)
「10万円×12ヶ月×寿命分」の貯蓄を貯める必要があると分かる。

この貯蓄金額を把握するためにも、現状いくらで生活しているのか把握しておきましょう。

■貯金口座は2つに分ける

給与が振り込まれる口座とは別に貯金用口座は2つ作り、計3つの口座を持つことを推奨しています。貯金口座をひとつだけにしていると、貯金残高が安定しない上に、貯金をおろすときに罪悪感が生まれてしまいます。

  1. 「生活費口座」-給料が入ってくる口座。生活費(水光熱代、ガソリン代など)として引き落としされるものを集約する。
  2. 「プール口座」-旅行、冠婚葬祭、家電の買い替えなど、近い将来使いたいお金をためておく口座 ※使い切ってしまってもOK
  3. 「貯金口座」-子供の学費、老後資金、万が一の病気など、長期的に貯めておく必要のあるお金を貯める口座 ※絶対におろしてはダメ


使えるお金が一目瞭然になるため、レジャー代や洋服代を我慢することが少なくなります。やみくもに節約するよりも、ストレスも減ります。

■共働き世帯は財布をひとつに

お財布は世帯でひとつとして管理します。夫婦のどちらか大黒柱となる収入を決め、もう一人はサブの収入とし、その半分は貯蓄にまわします。支出は年々増えていくものなので、家計には常に余裕を持たせるようにしましょう。

家計管理に不安のある方は、ぜひ専門家の方に相談してみて下さいね。

取材協力

大木美子さん

家計改善コンサルタント
一般社団法人家計管理推進協会 代表理事
高校 1 年途中から学校へ行かなくなり、留年、卒業の危機を超え高校卒業。語学学校、簿記学校に入学するも、やはりすぐに不登校に。 その後、フリーターとなり結婚、専業主婦へ。40 歳前から資格取得を目指すも、お金がなく、テキストを 100 円で購入する受験生活。FP資格取得後、起業。家計簿分野に特化し、新聞連載、出版と人生が大きく変わる。
現在は、赤字家計の改善に特化した家計相談を行うとともに、節約に依存しない家計改善手法を伝えるべく、家計管理推進協会で家計簿資格講座を開催している。一人でも多くの人がお金の悩みから解放されて、笑顔を取り戻す手伝いができればと活動中。 家族の笑顔を守る家計管理がモットー。
http://fp-ohki.com/

2023

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