無理をしない、自分らしい家事。
取材協力…知的家事プロデューサー「本間朝子」さん
家事は毎日のことなので、どうしても面倒に感じることがありますよね。
だからこそ、無理をしすぎず、ラクに効率よくやることが楽しさの秘訣です。
今回ご紹介するアイディアを活かして、自分に合う家事の方法を見つけてみてくださいね。
■片づけが苦手な人のスタート地点
・整理する範囲と時間を決めて行う
整理をする時には、一度に家の中全体をやろうとすると、ハードルが高くなります。初めは棚一段分やテーブル半分など、整理をする面積を小さく決めて行うようにするのがコツです。広い面積で行おうとすると、家の中のものをどんどん出してしまい、散らかったまま日が暮れてしまうなんてことも。そうすると「自分は整理が不得意なんだ」という苦手意識が生まれてしまいます。まずは小さなハードルにしていきましょう。
また、整理をする際には時間を決めて行うことも大切です。まずは大体15分ほどでタイマーをかけ、その時間内に終わったら、その次にまた15分続けるかを考えるようにしていくと、整理をしやすくなります。
・不要なものを取り除くことから始める
引き出しを整理するときは、「綺麗にする」ことや「出し入れしやすくする」ということよりも、まずは「不要なものを取り除く」ことから始めてみましょう。初めは一段分だけ整理し、不要なものを取り除いたらそこで終わりにします。不要なものがなくなるだけで、とても使いやすくなるので、気分も良くなり「もう一段やろうかな」という前向きな気持ちになれます。やり方に慣れてくれば、そこから少しずつ大きな面積が出来るようになっていきます。
■掃除をラクに行うためには
・家の各所に掃除道具を置く
家の各所に掃除道具を置いておくと、気になった時にすぐ使えるようになります。道具が目に入るのが気になる方は、テレビ台の裏にフロアワイパーを置いたり、マガジンラックの隙間にハンディモップを差し込んだり、カーテンの束の裏にカーペットクリーナーを吊るしたりすると、見えづらくなります。最近では見た目がおしゃれな掃除用具もたくさんあるので、探してみるのもおすすめです。
・普段の動きと掃除を絡める
生活動線に掃除を絡めるようにすると、普段の動きをしながら掃除を終わらせることができるようになります。
(例1)寝室、廊下、リビング、洗面所の掃除
➀夜寝るときにリビングにあるフロアモップを寝室に持っていって寝る。
②朝起きた時にそのモップで寝室や廊下を歩きながら掃き、洗面所まで行く。
③洗面台の上に小さいスポンジを置いておき、顔を洗ったらスポンジにハンドソープを付けて洗面ボウルを洗い、顔を拭いたタオルで洗面台と鏡も拭き、洗濯カゴにいれる。
④ そしてまたフロアをモップで掃きながらリビングに進み、モップを元の位置にもどす。
これだけで同時に四ヵ所の掃除ができます。
(例2)玄関掃除とゴミ出し
玄関掃除は燃えるゴミの日に行うと決めます。燃えるゴミを出すときに玄関を通るので、そのついでに玄関を掃いて集めたゴミをそのままゴミ袋に入れて出します。この習慣を決めておくと、少し汚れていたとしても、「燃えるゴミの日にやるからOK」と気にならなくなるメリットもあります。
掃除を意気込んでやろうとすると、なかなかやる気が起きないこともあるので、何かのついでに掃除をすることで、気楽に行うことができますよ。
・隙間を掃除用具に合わせる
掃除で少し面倒に思うのが、家具と壁の間の「隙間の掃除」。中途半端な隙間はなくして、フロアワイパーの幅や掃除機のヘッドの幅に合わせて家具を配置すると、隙間のためだけに掃除をする必要がなくなります。
■洗濯のアイディア
・よく着る服はハンガーにかける
洋服をたたむメリットは、①面積が小さくなるので収納量が増やせる、➁皺を防げる、③目的のものが見つけやすくなる、ことです。逆に考えると、このメリットが少ないものは畳む必要がありません。例えば衣類はハンガーで干して、そのまま収納する。収納スペースが狭い場合は、よく着る衣類だけでもハンガー収納にするとラクになります。
・ハンカチのアイロンがけを省く
ハンカチを洗濯機で脱水までかけたら、干す前の段階でピンと伸ばし、持ち歩く大きさに畳みます。そして洗濯バサミで目立たない角の方を止めて干しておくと、皺のない持ち歩きができる状態になります。
■予防掃除
「予防掃除」とは、汚れたら掃除をするのではなく、「掃除自体をしなくて済む」ように工夫をする考え方のことです。予防掃除に向いているのは、汚れると面倒になる水回りや油が飛ぶコンロなどです。
・冷蔵庫の上
冷蔵庫の上はキッチンの油煙と汚れが混ざった、しつこい汚れがついて大変なところ。毎回掃除するのは大変なので、掃除をした後にラップをふわりとかけておけば、「汚れが気になったときに、かけ直すだけ」で終わります。
・冷蔵庫の中
冷蔵庫のドアポケットは、こぼれた調味料がこびりついて丸い輪の跡が付いたりします。下にキッチンペーパーを敷いて、汚れが気になったら変えましょう。野菜室の底も新聞紙を敷いておくと便利です。
・キッチンのコンロ周り
油汚れがつきやすいところは、油が飛ぶ料理をするときに、100円ショップやスーパーなどにも売っている「一口コンロサイズのアルミガード」を活用しましょう。ガードの外に油が飛ばないだけで、掃除をする面積を格段に減らせます。
・お風呂
床に洗面器や椅子などを置くとぬめりが発生するため、吊るすようにしましょう。壁面にフックを付けて洗面器を吊るしたり、バスチェアを浴槽のフチにかけて水気をきると、ぬめりやカビの発生を防ぐことができます。
■家事は完璧でなくていい
家事に大切なのは完璧にすることではなく、家族が健康で笑顔で過ごせることです。他の家と比べて、自分は至らないと落ち込む必要はありません。あなたが無理をして頑張っても、家族は嬉しくないでしょう。たとえ、ちょっと行き届いていなくても、あなたが元気で笑顔でいるほうが、家族は幸せなはず。少し散らかっていたり、おかずの量が少なかったりしても、和気あいあいと楽しく過ごすことが一番です。