普通という宝物
2018.9
文:中村幸代
夏休みが終わって、正直なところホッとしました。学校給食の有難さをしみじみ感じながら、流れる汗を拭いつつ三度三度の食事を作り、ゴロゴロしている子供を外に連れ出せば、体力も気力もお財布の残高も減る一方。宿題の進み具合をチェックしては失望し、夏休み用の変則的な習い事スケジュールにはアタフタ。
それでもふと冷静に考えてみれば、子供が少しずつ成長してくれていることはとても有難いことですし、もし日々の営みを支えてくれている要素が一つでも欠けたら、途端に心乱されてしまう自分だと思います。
今年は地震や豪雨災害、猛暑と、自然の猛威によって、普段の生活を失ってしまった方々がたくさんいらっしゃいます。被災された方が望んでおられるのは「当たり前の生活。普段の生活。」
不平不満がフッと湧いてきてしまう、まだまだ修行の足りない私。今ある“当たり前”に感謝を見つけて、少しでも前向きに大きな気持ちで、頑張っていきたいと思います。
被害に遭われた方々の生活が一日も早く復興されますことを心よりお祈りいたします。
文・中村幸代