心に届いた贈り物
2016.05
文:中村幸代
なにか贈り物を頂くことは、嬉しいものです。
たとえ好みと違っていても、“私のことを思って選んでくれたんだ”、と思うだけで、とてもハッピーな気持ちになります。
だから私も、大切な人や日ごろ感謝している人、仲良くなりたい人に贈り物を送ることが好きです。外出先で少し時間があった時にはお店を覗いて、何かちょっとした贈り物を探すのも大好きな時間です。
この春、とても心に残る贈り物を頂きました。それは、小学校を卒業する息子が学校の保健室の先生から頂いたもの。小学校入学から卒業までの6年間、身長と体重を記してきた健康カードに、数十センチの長さのリボンが挟まれて返ってきました。
このリボンの長さは、6年間で伸びた身長の長さ。生徒一人一人に、それぞれ伸びた身長分の長さのリボンをプレゼント。健やかな子供の成長を願う親心に寄り添う、保健室の先生のあたたかな想いが、なんの変哲もないリボンにこめられていて、息子も私も泣きそうなくらい嬉しくて感激しました。
心に届く贈り物とは、お金をかけるばかりではないのですね。こんな素敵な贈り物を届けられるような人になりたいと、しみじみ思うのでした。