オリーブオイル

「My Favorite Things」は、いま、話題にしたい人・もの・コトを音楽プロデューサーの中脇雅裕がご紹介させていただきます。

今回は「オリーブオイルのお話です。


オリーブオイルとは、オリーブの果実から得られる油のことです。菜種油やひまわり油など、種から搾るシードオイルとは異なり、オリーブの果肉そのものに油分が含まれています。上質なバージンオリーブオイルはさらっとしていて、そのまま飲めるほど。そのおいしさは「オリーブ100%の果実ジュース」とも表現されるほどです。

オリーブオイルの歴史と製法



 オリーブの栽培は紀元前6000年以上前(諸説あり)から始まったとされており、食用や美容目的で古くから人々の生活に深く根づいてきました。その昔、かのクレオパトラはその美貌を保つために、日頃からオリーブオイルを愛用していたという説もあるほどです。中東やヨーロッパを中心に、宗教的にも民俗学的にも重要視されてきたオリーブオイルは、神聖なイメージからか、民間療法にも広く用いられてきました。
 さて、日本で一般的に食用として販売されているオリーブオイルは、大きく分けて「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類があります。
「エキストラバージンオリーブオイル」は、実から搾ったままの「バージンオリーブオイル」を香り・味・酸度(酸価)などの項目で分析・評価し、基準を満たしたものだけに与えられる名称です。オリーブオイルにもともと含まれる栄養素をそのまま摂取できるうえ、独特の風味と味わいを楽しむことができます。
 一方、「ピュアオリーブオイル」は、精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの。加工の段階で、栄養素の一部が雑味とともに取り除かれてしまうため、エキストラバージンオリーブオイルと比べると香りや健康成分は少なくなります。オリーブオイル特有のクセや香りが苦手な方はピュアオリーブオイルを選ぶなど、好みや用途によって使い分けるとよいでしょう。

ちなみに、洋食に合うイメージが強いオリーブオイルですが、実は和食にもよく合います。たとえばお味噌汁に小さじ1杯ほど加えると、コクや旨みがぐんと増します。また、冷奴やお刺身に使う醤油に少量のオリーブオイルを垂らすのもおすすめです。

美容と健康に優れた効能あり!



オリーブオイルが健康によいといわれるポイントは、主に3つあります。

  • 一価不飽和脂肪酸が多く含まれている。
  • 酸化を防ぐ「ポリフェノール」を含んでいる。
  • 必須脂肪酸を含む三大栄養素「脂質」である。


1) オリーブオイルに含まれる「オレイン酸」は、一価不飽和脂肪酸の一種です。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを減少させないとされており、動脈硬化にともなう心筋梗塞や脳梗塞、高血圧などの生活習慣病の予防に役立つといわれています。さらに、皮膚をやわらかくする効果もあるため、角質のごわつきや乾燥による小じわの抑制・改善など、美肌効果も期待できます。肌に直接塗る場合は、化粧用として販売されているオリーブオイルを使うと安心です。

2) オリーブオイルには独自のポリフェノール類も含まれています。その抗酸化力は非常に高く、血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などを予防するという研究結果も報告されています。さらに抗菌・抗ウイルス作用があり、体を病原菌から守ったり免疫機能を高めたりするといわれています。これらのポリフェノール類は体内に蓄積されにくいため、毎日摂取することが大切です。

3) 油と聞くと、ダイエットや生活習慣病を気にする方にとっては「なるべく控えたいもの」というイメージがあるかもしれません。しかし油(脂肪)は五大栄養素のひとつであり、体を構成し、エネルギー源として機能するためにも欠かせないものです。もちろん過剰に摂取すれば動脈硬化や肥満などの原因になりえますが、極端に不足すれば体の正常な働きを妨げてしまうことにもなりかねません。

このようにオリーブオイルは美容や健康など、さまざまなメリットがある優れたオイル。ただ、一つだけご注意いただきたい点があります。それは劣化です。オリーブオイルは比較的劣化しにくいといわれますが、それでも開封した瞬間から酸化は少しずつ進んでいくもの。これはオリーブオイルに限ったことではありませんが、酸化した油を体に取り込むのは好ましくありません。開封した後はできるだけ早めに使いきれるように、毎日少しずつコツコツと取り入れていきましょう。

"My Favorite Things" 中脇雅裕 Masahiro Nakawaki

大学在学中より、多くのTV・ラジオのCM音楽を制作。
大学卒業後、財団法人ヤマハ音楽振興会にてポピュラー音楽指導ディレクターとして音楽教育法の研究および講師の研修を担当。
その後、東京に居を移しレコーディングディレクターとして数々のアーティストの音楽制作を手がける。
今までに制作に携わったアーティストはCAPSULE,Perfume,きゃりーぱみゅぱみゅ,三戸なつめ,近藤夏子,Jungle Smile,手嶌葵,古澤巌,中村幸代などジャンルを問わず多岐に渡る。
その他に、映画、CM、各種イベントなどの音楽制作はもとより、イベントプランニング、執筆活動、講演、ラジオDJなどその活動は幅広い。
音楽教育の経験とメンタルコーチングの知識を生かした講演、研修、個人コーチングも行っており現在、サウンド&レコーディング・マガジンに「音楽クリエイターのためのイメージ・トレーニング!」を連載中。

◆オフィシャルウェブサイト http://nakawaki.com/