薬局をもっと活用しよう!

病気にならずに毎日健康的に生活できるのがいちばんですが、
どうしても体調を崩してしまうことはありますよね。
そんなときに欠かせない薬を調整してくれるのが、薬剤師の存在。
私たちと薬剤師さんの関わりは、調剤してもらうときに限定されがちですが、
もっと色々なことを相談して頼っても良いそうです。今回は、あまり知られていない 薬剤師さんの役割や、薬のちょっとした疑問にお答えします。




薬局は医療薬品の購入だけでなく、健康に関する相談もできる

みなさんが薬局に行くタイミングといえば、 薬を処方してもらうときくらいではないで しょうか。本来、薬局は処方箋がなくても立ち寄れる場所。薬の処方については勿論のこと、健康や介護、一般薬、薬とサプリメントの飲み合わせなど、薬剤師に様々な相談ができます。
ですが、薬局によってはこうした役割が機能していないところもあるので、相談しやすい薬局や信頼できる薬剤師さんを見つけておくと安心です。
また、現状では数が少ないものの、「健康サポート薬局」のロゴシー ルが貼ってある場所は、相談を受ける体制が整っている目印になるので、そうした薬局をかかりつけにするのもおすすめです。




薬局が地域の健康ステーションに

クリニックや病院などの医療機関は基本的に、病気になったときに利用する場所ですが、薬局であれば病気になる前に一般薬を買いに行けますし、健康的な人でも行くことができます。症状が進んでから病院に行くと、重症化しやすくなる上に医療費もかかるので、なるべく病気になる前の軽い状態で治すことが本人にとっても国にとっても理想的。そこで、政府は予防、未病に軸足を置くべく、薬局に地域の健康ステーションとしての役割を担うよう 促す方針を打ち出しています。
今後、こうした薬局の役割が広く認知されると、町の薬局のありかたも変わっていきそうです。




健康サポート薬局とは?

健康サポート薬局とは、患者の健康維持や健康 促進を包括的に支援する役割を担うもので、厚生労働省が定める一定の厳しい基準を満たした薬局のこと。
店先に貼ってあるロゴマークが目印です。車いすでも入ることができ、市販薬や健康食品、介護相談、食事相談など、なんでも相談することができます。
こうした制度の有無に関わらず、薬剤師さんはもっと頼っていい存在です。
処方された薬に不安がある方は、遠慮せずにその気持ちも含めて相談をしてみましょう。親身になって答えてくれますよ。




薬のさまざまなギモン

ジェネリック薬品と新薬の効果は同じ?

ジェネリック薬品とは、言い換えると後発薬品のこと。 新薬と全く同じ成分で作られており、効果も変わりません。先発品を強く希望される人もいますが、不安にならなくても大丈夫。どうしても心配な方は、「オーソライズジェネリック」という新薬を開発した会社が製造しているジェネリック薬品を選ぶのがおすすめです。ですが、基本的にはどのメーカーのジェネリック薬品でも問題はありません。


お茶で薬を飲んでもいい?

お茶と一緒に飲むと吸収が悪くなる薬もあるので、基本的には多めの水かぬるま湯で飲むようにしましょう。症状によっては、少量の水を推奨されることもあります。


食後の薬は何分以内が目安?

胃の中にものが入っている状態のほうが副作用は出にくいので、食後30分以内に飲むようにしましょう。


薬にプラセボ効果が あるってほんと?

プラセボとは偽薬という意味ですが、実際に薬を飲むときにもその効果を期待することができます。 薬は「効く」と思って飲んだほうが、効果が高くなると言われているため、その薬の効果を信じて飲むのがおすすめです。


薬の消費期限は?

市販薬は期限内であれば必要なときに飲んで問題ありません。ですが、医師が処方する医療薬品は、指示された 期間内に飲むことが理想。飲み忘れなどで、定期的に処方される薬を余らせている場合は、その旨を医師に伝えて処方量を減らしてもらうようにしましょう。そのほうが、自分はもちろんのこと、国の医療費の負担軽減にも繋がります。

日頃から薬剤師さんに健康のサポートをしてもらうことで、 できるだけ健やかな日々を送っていきたいものですね。

■取材協力

井手口直子さん

帝京平成大学薬学部教授 薬学博士 教育博士
専門はファーマシューティカルコミュニケーション
(患者心理を捉えた薬剤師の効果的な服薬指導)
スーパーフードなど健康増進、病気の予防にも詳しい
自分の薬局も2店舗経営

著書多数
「ファーマシューティカルコミュニケーション」
「スーパーフード入門」