意外と知らない、さつまいものチカラ。

スイーツや料理に幅広く使うことができるうえに、栄養も豊富なさつまいも。そんなさつまいもの魅力を今月はお届けします。

さつまいもの健康効果について

➀腸内環境の改善に役立つ

さつまいもを切ると断面から白い液体が出てきますが、これはさつまいもにしか含まれない「ヤラピン」という成分によるもの。ヤラピンには腸の動きを良くする働きがあるので、さつまいもに含まれる食物繊維との相乗効果で、便秘により効果的です。

➁美肌に良い成分が豊富

さつまいもにはビタミンCが豊富に含まれ、その量はりんごの約7倍とも。本来、ビタミンCは熱に弱いですが、さつまいものビタミンCはでんぷん質に囲まれているため、加熱しても壊れにくい特徴があります。それに加え、エイジングケアに良いとされるビタミンE、代謝アップの作用があるビタミンB群、デトックス作用のあるカリウムなど、美容に良い成分が多く含まれています。

➂準完全栄養食で栄養たっぷり

一説によれば「全ての野菜を集めるとさつまいもになる」と言われるほどに栄養価の高いさつまいもですが、さつまいもだけでは動物性のたんぱく質と脂質が不足しがち。牛乳や豆乳、チーズ、バターなどを組み合わせて栄養素を補うことで、より完全な栄養食になります。


さつまいもの栄養をより効率的に摂るには?

・さつまいもは水にさらさない

芋類は水につけて灰汁を抜くことが多いですが、さつまいもに含まれるヤラピンやビタミンCは、切った後に水にさらすと流れやすいのでNG。

・さつまいもは皮をむかない

さつまいもの皮にはポリフェノールが豊富に含まれているので、よく洗ってから皮ごと調理するようにしましょう。


スーパーでよく見かけるさつまいもの特徴は?

・ねっとり系のさつまいも…シルクスイート、紅はるかなど

甘味が強いのでスイーツに向いていますが、辛味や酸味のある料理のアクセントに使うのもおすすめ。タッカルビや豆乳鍋、カレーなどに合いますよ。

・ほくほく系…紅あずま、なるときんときなど

昔ながらの品種で、お芋らしさを楽しめます。お料理に使うことが多く、とくに紅あずまは天ぷらや煮込みなど、昔ながらの芋料理に向いています。


さつまいもは意外とカロリーが高くない!

甘味が強いさつまいもは、糖質やカロリーが高そうに思えますが、他の品種とあまり差はありません。また、さつまいもは白米よりも糖質やカロリーが少ないので、ご飯の代わりにいただくのもおすすめです。


おいしいさつまいもの見分け方

ポイント1 形が細すぎず、ずんぐりむっくりで、表面がぼこぼこしていないものを選ぶ
ポイント2 ひげ根が少ないものを選ぶ
ポイント3 黒い泥のようなものが付いているものを選ぶ
泥のように見えるものは、泥ではなくヤラピンの成分によるもの。ヤラピンが表面に付着しているものはヤラピンが豊富な証拠です。


さつまいもを手軽に摂り入れるには?

さつまいもは焼き芋にして冷蔵・冷凍保存しておくとアレンジが利き、とても便利です。焼き芋にすると潰しやすくなるため、マッシュポテトやコロッケに使ったり、そのままカレーやお鍋に入れて使うこともできて調理の時短になります。また、お弁当のおかずに入れると、色鮮やかで映えますよ。そのうえ、冷凍すると水分量が増し、甘くてねっとりとした食感を楽しむことも。


フライパンで作る!時短の焼き芋レシピ

フライパンで作る焼き芋は、表面はカリッと、中は甘くてしっとりとした食感に仕上がります。焼き芋ならではの香ばしさを味わえますよ。

*作り方

➀さつまいもを洗い、2㎝ほどのサイコロ状に切る。
➁テフロン加工のフライパンであればそのまま焼き、違うものであれば油をひく。
➂フライパンを熱してさつまいも並べ、中火で表面を焼く。焦げ目がついたらひっくり返し、水をいれて蓋をして弱火で3~5分ほど加熱する。
※蒸し焼きにすることで中に火が通ります。
④水がなくなったら、蓋を外して強火で表面をカリっと焼く。

色々な品種を食べ比べて好きなさつまいもを見つけたら、色々なお料理に使ったり、焼き芋にしたりして楽しんでください。


■取材協力

鈴木 絢子 さん

美容家 さつまいも親善協会 会長

プロフィール16歳の頃からさつまいもダイエットを実践、健康的に8kg減に成功。以来26年間毎日さつまいもを食べ、体型をキープしている。 美容コメンテーターとしてTVや雑誌で美容法を発信する傍ら2013年にさつまいも親善協会を発足し、さつまいも料理研究家としても活動。「朝さつまいもダイエット」「鈴木絢子式 超かんたん!コグマダイエットの秘密」など著書多数