TopicsEssay

青い星

2015.07
文:中村幸代


 先日、書店に立ち寄った時に「地球がもし100㎝の球だったら」という本に目がとまり、
子ども達と読んでみることにしました。直径1万2756㎞の地球を直径100㎝の球に縮めると、もっと地球のことを身近に感じられるというわけです。
 100㎝の地球では、海水の量は660cc、そのうち淡水は17cc、さらにそのうちの12ccが氷河などの氷なので、飲み水としては、たったの5cc、つまりスプーン1杯分しかないんだそうです。そのわずかな水に水質汚染や水不足という危機が訪れています。
一方、酸素を作り出してくれている熱帯林は、毎年、日本の国土の40%ほどの広さにあたる熱帯林が焼畑や過剰な伐採によって消失しているそうです。
100㎝の地球では人は0.1ミクロン。細菌のような大きさですが、その人間によって地球は蝕まれているのです。
 とはいえ、人間が素晴らしいものを産み出してきたことも事実です。医学の面でも科学の面でも技術の面でも・・・人間の英知をもってすれば、この地球の危機的状況も回避できるのではないかと、救世主的発明家の誕生を安易に期待してしまいますが、他人任せにただ待っているだけでは事態が悪くなる一方です。
 継続できるくらいの小さな我慢や心がけを、私達ひとりひとりが積み上げていって、国の境も越えてひとつに結集していけたらいいですね。ひとつしかない私達のHOME、この地球が壊れてしまう前に。

「地球がもし100cmの球だったら」著者/永井智哉 出版社/世界文化社

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