秋は体の代謝が高まる季節。代謝をあげると、体にとってたくさんのメリットがあります。過ごしやすいこの時期に、運動をしたり生活習慣を見直したりして、代謝が良くなるように働きかけてみましょう。

■そもそも代謝とは？
人間は生きている間、ずっとエネルギーを必要としています。なぜなら、心臓を動かして血液を送ったり、呼吸をしたり、体温を正常に保ったりするためには、エネルギーを使うからです。つまり「代謝」とは、そのエネルギーを体内から生み出すために、食べ物から栄養を補い、消費するまでの一連の流れのことを言います。

■代謝が良くなると、体にどんな効果があるのか
代謝が良い状態のときは、血液や内臓、骨、肌、髪など、体の色々な組織の細胞が新しく生まれ変わり、溜まった老廃物もスムーズに外へ出ていきます。様々な体の構成成分が、全身を滞りなく流れている状態になると、体に嬉しいメリットがたくさんあります。

・エネルギー消費量が増えて、太りにくい体になる
・血行が良くなり老廃物が排出されて、肌を綺麗に保つことができる
・血流が良くなり、冷え性や肩こりが改善される
・内臓機能が活発化し、便通が良くなる

■代謝をあげるために必要なこと
代謝を上げるためには、積極的に代謝をアップさせる食事法や生活習慣を身につけることが大切です。

① 酵素を取り入れる
代謝を上げるのに重要な役割を担っているのが「酵素」。代謝の良い状態とは、酵素がしっかりと体の中に有り、そして活動していることです。私たちの体内にある酵素の生産量は、年齢と共に減っていきます。それを補うためには、毎日新鮮な酵素が含まれる食品をたっぷり摂る必要があります。
酵素が含まれる食物は「生野菜」、「果物」、「生肉」や「魚」など。「生野菜」や「果物」は出来るだけ、朝、昼、晩の3食に取り入れます。「肉」や「魚」などの動物性たんぱく質は、加熱すると消化に時間がかかり、多量の消化酵素を必要とするため、体内にある代謝酵素の浪費に繋がります。そのため、加熱した肉や魚を食べるときには、生野菜や果物を一緒にとって、消化を助けるようにしましょう。
また、酵素を活性化させるためには、水分が不可欠なので、質の良い水をたっぷりと摂ることも忘れずに。朝起きたらすぐに、ミネラルウォーターや白湯を最低でもコップ1杯ぐらい飲むのがおすすめです。また、食事の1時間位前に、コップ1〜2杯の水を飲むと代謝UPに効果的です。

② 腸を元気にする
代謝を上げるには、免疫の約8割を担っている「腸」を元気にする事も大切です。納豆やヨーグルト、野菜の漬物や味噌などの発酵食品は、腸内の善玉菌をふやし、悪玉菌を少なくする作用があります。発酵食品を積極的に摂り、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えましょう。

③ 早寝早起きを心がける
夜8時から朝4時までの時間帯は、吸収と代謝が活発になります。この時間帯に細胞の代謝がしっかりと行われるためには、休息をうまくとることが大切です。早寝早起きで質の高い睡眠をとり、体内に溜まった毒素や老廃物を体の外へ出すようにしましょう。

④ 適度に運動をする
適度な運動は、骨や筋肉を強くし、また心肺機能を高めるのに役立ちます。汗をかくことで新陳代謝が上がり、体内の老廃物の排出もスムーズになります。特にウォーキングは、年齢や体力、運動能力等問わずに手軽にできますのでお勧めです。

⑤ 体を冷やさないこと
最近では低体温の人が多くいますが、代謝を高めるためには、体を冷やさないことも大切な要素です。汗をたくさんかいて体温を上げる方法の一つに、「半身浴」があります。基本的には、ぬるめのお湯にみぞおちくらいまで浸かって、1回20〜30分を目安に体をじっくりと温めます。もっと汗をかいて新陳代謝を上げたい人は、43度ぐらいの熱めのお湯に、おへその下まで浸かりましょう。温浴効果を高めるためには、塩と重曹を各小さじ2〜3杯くらい入れると、驚くほど汗が出てきます。上半身が寒いと思う方は、乾いたタオルなどを肩にかけておきましょう。大量の汗と一緒に体内に溜まった老廃物も流され、体温も上がり代謝が良くなります。また、大量の汗が出るので、入浴前には質の良い水をたくさん飲んでおくことも忘れずに。
この他、足を温めるだけでも全身の血行が良くなるので、お風呂に入れない時には「足湯」がおすすめです。足湯は、身体の痛みを和らげる効果があるので、頭痛や肩こり、腰痛のある方は膝から下を温めると効果的です。

代謝を活発にして、身体も心もめぐりの良い状態を保ち、爽やかな秋を満喫できますように。